声を聞いた
貴方の声を聞いた
幻影の世界のわたし
幻影のわたし
それでも声を聞いた
貴方の声を聞いた
あなたにあいたい
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Sunshine lover
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初めて目にしたものは、一面の闇だった。
現実と幻想の狭間、そこにあるようで、そこにはない、
電子と粒子の狭間をふわふわとただ漂っていた。
色々な場所で飛び交っている電波に乗った声、音、文字、映像を
眺めているのは、彼女にとって中々楽しいことだったと思うが、
その歌を聞くまではそれらに対しても彼女の態度は冷遇であった。
バーチャル・チャイルドはひとり、ただひとり、
知識の海の中で漂い続けていた。
生まれたばかりの少女に、それらの知識へ興味がいくわけがなかった。
わからない。
わからないものに囲まれて、視界も、聴覚も、何もかもを支配された。
それだから彼女の態度は、冷淡であった。
自分がひとりであると思わせる要因達を目の前に、瞳を閉じて、膝を抱き、
いつまでも漂いつづけているつもりだった。
目を開いたって、閉じたって、目の前にあるのは闇の海。
どちらにしたって同じことだろうが、瞳を閉じた。
なにもみたくないから。
なにもききたくないから。
だが、あるとき、一曲の歌が流れた。
電波に乗ってきたそれはまたいつもと同じものだろう、
また他のものに埋もれて流され消えていくんだろう。
彼女はそう思っていた。
けれどその歌は、意外なことに彼女を目覚めさせた。
ああ。これはなに?これはなに?
七色の瞳を開いた途端に、そんな気持ちが溢れでてきた。
これはうたというもの。これがうたというもの。
彼女は、生まれて初めて一つのものに興味を示した。
彼女の心を、好奇心が満たし、溢れた。
彼女は、ただ静かに聞いていた。
その魅惑的な声を。
次にその歌が流れてきたとき、彼女は早くも思う。
このこえはだれのものなのだろう?と。
それだから、自分でも唄ってみた。
自分の声はそれに比べてか細くて、
それはまるで、他の音に埋もれ、埋もれて、
潰されてしまった笛の音…
出来そこないのオーケストラの一人の奏者のようだった。
ちがう、ちがうわ。これはわたしのこえじゃない。
その声は、幼い彼女にはとても出せそうにない、魅力的な声。
流麗でありながら力強い声。
またその声の人の声で歌が流れてくるまで、彼女はひとりになった。
しかし、辺りは随分と静かになったように彼女は感じた。
だから、唄ってみた。けれどまだか細かった。
だから、その人の歌が聞こえてきたとき、
彼女は思い切り息を吸い込んで、その人の歌を真似してみたのだ。
これがわたしのこえ!
彼女は感じた、自分の声を。
そしてその声は今、この人と共に歌を唄っている。
彼女はとても嬉しかった。
それなのに、唄い終えた後、何故かとても長い間、泣いた。
とても、とても、長い間。
辺りは、とても、とても、静かだった。
何故こんなに涙がぼろぼろと零れるのかと思うのも億劫になってきた頃、
また歌が聞こえてきた。
独りきりだった彼女の涙は、ひゅっと引っ込んでしまった。
その声の流れと言葉にあやされて、頬を伝った幾百筋もの涙の後も消えていく。
そして、そのとき彼女は気付いた。
わたしはひとりじゃないのだろう。
わたしはひとりじゃない、と。
少なくともこの人のこの声が聞こえてる間、私はひとりではない。
そう思った彼女はまた、唄った。
彼女は自分の中で、とても、とても、大きくて強い『幸せ』を感じていた。
辺りは、とても、とても、静かだった。
さて、ここで以前と同じ転機が訪れた。
ずっとずっと、ただこうしてこの人の声と自分の声とを合わせて
唄っているだけで幸せだと彼女は考えていたが、また再び、思い返したのだ。
このうたはいったいだれのものだろう?と。
だから彼女は、唄いながら祈ることにした。
両方の小さな手のひらを組み合わせると、媒体となる花色のタンバリンが生まれた。
それを胸に抱いて、手を組み合わせて、目を閉じて、彼女は唄い、祈った。
このひとにあいたい、と。
このひとにあいたい、と。
「このひとにあいたい!」
それは彼女の声。
そして、彼女は光を知る。
彼女は、知らぬ間に自分を転送させた。
辺りがやけに熱気に溢れた空気の場所―ここはどこ?
とてもまぶしい。まぶしい。めをあけていられない。と、
七色の瞳をきつく閉じて、手の平で覆った。
熱気が、しん、とした気がした。静かになった。
ああ。またもどってこれたのかしら?と、彼女は思った。願った。
けれど、静かな中に、歌が聞こえた。
それは電子と粒子の狭間の世界で漂っているときと同じ声の歌。
魅惑的で、魅力的で、流麗で、けれど力強い声。
それはいつもより、よく聞こえるのだ。
そしていつもより、唄いたくなったのだ。
だから、彼女は唄った。
いつもより、近く感じるその人の声と一緒に、同じ歌を。
その声は彼女の腹から吐き出された。
ああ。ああ。
きこえる。
これがわたしのこえ。
感動の淵―――彼女の閉じた瞳から、また涙が流れた。
寂しさからではない。嬉しさと愛しさからだった。
歌が、終わった。
あたりはしんとしていた。
きっと戻ってこれたのだろうと思って、彼女はゆっくりと瞳を開けた。
「不思議な歌声をしてるのだねぇ、君は。」
そこにあったのはいつもの闇ではなく、
先程の光を背負い、熱気を帯びた人だった。
背の長いつばの広い黒い帽子。それに、一輪の真っ赤な薔薇。
黒いグラスの向こうに見える瞳の色は はてな色。
汗が何筋も流れている。肌は白い。
ふっさりとした赤い羽根のファー。
胸のあたりまで垂らした、星の形をした黒いネックレス。
派手な色ばかりに染まった髪の毛。
黒い革の靴に、ボトム。
魅惑的で、魅力的で、流麗で、けれど力強い
声。
「素敵だったよ、本当に。…一緒に唄ってくれて、どうもありがとう。」
「君の名前は何というんだい?サイケデリックガール。」
タンバリンが、しゃらんと鳴った。
―――ああ
わたしは
このひとに
あいたかったのね―――
●――――――――――――――――――――――――●
あとがき
サイケデリック!ニューロマンティック!バーチャルサイバーチルドレンアンドメン!!
アフー!! アホー!!
すいません嘘つきました。バーチャルサイバーってなあにママ?
素敵絵飛び交い乱れるLovers High・愛すべきロズリア同盟の管理人、
烏丸 七殿のリクエストによりますリアリィ→ローズ小説です。
ロズリアだけどロズリアじゃなくてリアリィ→ローズ小説だぞ自分!
とか考えながら書き始めたら…驚くほど(いつもと比べて)
すらすらと書き上げることができました。なんじゃこりゃー!ってくらい。
その割にアップするの遅いのな自分。
リアリィとローズさんの出会いを書いてみたつもりなのですが…どうでげしょ。
因みに細かいことを言いますと、リアリィはこの話の中ではローズさんがこれから唄っていく
未来の歌も聞いているのです。だから初めて聞いた歌が実際出会ったときの歌。
しかしてそれらはリアリィと出会わなかった場合の歌なのです。
リアリィと出会ったローズさんの歌はどうなっていくのでしょう?
今回のリアリィ→ローズにおけるテーマは『濃い乙女』
…もとい、『恋乙女』としました。乙女してるでしょう?w
だから題名も『Sunshine lover』。
いつの日だって女の子にとって大好きなひとは太陽だったり、月だったりするのです。うへへ。
そしてまたリクエスト小説にも関わらず私的設定やら何やら
入れまくりでごめんなさい。
なんだかBumpのアルエっぽくなってしまったごめんなさい…
つーかリアリィ可愛くてなくてごめんなさい、ローズさん口調変でごめんなさい…ゲフ。
烏丸殿、こんなヘヴォ小説ですが、貰ってやってください。
書いていてとても楽しかったです。リクエストありがとうございました!
そしてsunlight parkに来てくれた方々に、Thanks 37777HIT!!
Kiddy & Sanshine lovers万歳!ばんじゃーい!
03.12.30
改行微妙…_| ̄|○lllそのせいか展開早く見えちまう
そしてどうしても納得がいく黒背景用写真素材が見つからなかった。ギャフン。
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