ひらり。



影が舞い降りる。





血が舞い落ちる。






血は地と影を濡らす。




影が歩き出すと、湿った地は黒く染まっていった。






影と歩くは、男。



男を歩かせるは、影。










―――――――――――――――――――――――――




影舞




―――――――――――――――――――――――――











あれは気まぐれだった。
いや、気まぐれではない。気分が優れなかったのだ。
噛み合わぬ身体が起こす副作用。身を焼き尽くす痛みが兵器である我が身を犯す。
そんなときに通りがかったものだから、手にかけてしまった。
無駄な徒労だ。
石畳を踏み流しながら、男―影は思う。


かつて影は探していた。禁獣である自分と同じ、兵器。意志を持った兵器を。
男の身体を大半乗っ取ったとき、一つの生命体が自分をA国の森へと呼び寄せた。
森の奥には白い遺跡に美しい河川、変異に対応した動物達。
そして彼女は確かに其処に居た。
黒く慎ましやかな、修道女を思わせる衣服に身を包んで、生い茂る草と花の中佇んでいた。


男の命が尽きたこのとき、彼女は空にいる。
今もこの黒々とした夜空のどこかで
彼女にとって仲間と称される人間たちと明るく笑い合っているはずなのだ。
兵器である自分だからこそ闘うことを彼女に求め、
それに因ってはもたらすことのできなかった彼女の笑顔だ。
求めてやまなかったというのに、我が本能は反発した。
ギア細胞に反応し、闘争本能にスイッチが入ったのだった。
可笑しな話だが、口惜しくてならなかった。
自分が彼女にもたらしたのは他の誰もと異なってはいようが、結局は頬を伝う雫。
兵器に感情を与える必要などなかっただろうに。
影は、この不合理を含む機能に腹を立てながら、感謝した。


二年程前より、この身体を本格的に乗っ取り始めたわけだが、今では大分馴染んだ。
だが馴染んだとはいえ、居心地がいいとはいえ、
この身体は俺を認めようとはせぬようだ。死した今なお、俺を追い出そうとする。
そもそも俺もこの身体が特別気に入っているというわけではないのだ。
それよりも俺の兄弟(俺が勝手にそう呼んでいるだけだが)である
あの「背徳の炎」、ソル・バッドガイという男だ。
及び、妙にくねくねとした餓鬼に、鎖の鎌男…いや、鎖鎌の、軟派な男。
我が宿主に相応しい男達、今はどこにいるのか。―早く探し出さねば、俺のこの身が 死ぬ。
媒体であるコンピュータに出会えぬソフトウェアは
ただ埃にまみれ、旧くなり、欠片と、塵となるだけなのだ。


影はそんなことを徒然思いながら石畳を歩き続けていた。
男の服に染み込んだ大量の血の匂いに誘われるように蝙蝠がやってきた。
影と同じ黒を例えていたが、完全な黒ではなかった。その羽根に茶色を称えている。
男は影に包まれ、影は背から禍々しい翼を広げ、飛び上がった。
蝙蝠達はその様に恐れおののき、飛び去る。遠くから影を見守る。
法力による家宅の光が夜闇の下にいくつも見えた。
あの光を囲み、語り合う者達は、幸せなのだろうか?


白いエプロンが赤いスカートに映える。不運な女だった。
なんと人のよいことか、薄闇がかる路地裏で一人蹲り、唸り、叫ぶ男に気配りの声をかけたのだ。
蕪辞 いや、言葉にもならぬ音と赤い血を口から吐き出して、人のよい不運な女は死んだ。


あの女の笑顔はどのようなものだった?

あの女も本来あの光の中にいたのか?

あの女は幸せだったのか?


兵器である自分の中に浮かび上がってきたのは、柄にも無い興味、疑問ばかりである。

影に包まれた亡君はその問いには応えられず、
また闇空を飛び交う蝙蝠達もその問いには答えられなかった。
恐れを無くしてか、好奇心を持ってか、吸血蝙蝠のうちの一匹が近づいた。
一閃。
影の、完全な黒を称え続ける翼が、瞬く間にその生き物を微塵とした。
赤黒い血は真下の屋根と石畳に落ちて、ぼたぼたと下品な音を立てる。
機嫌が優れなかったのだ。


茶色の気配が消えた夜空、影は翼をはためかし、月に重なるまで舞い上がる。
黄色く、青白いその月の色は、この空よりもっと上にいる彼女のリボンと同じ色をしていた。
周りを囲む空の色は、今の影と同じ色をしていた。
データに記録された像達は、影の脳裏を直線的に舞い踊っていた。





血の匂いさえ消し去って 影は独りその空を去った。
完全な黒である影の機能、回路を再び闇が覆った。






その深い黒色を癒す色はどこにもいない。






--- つづく ---





--- あとがき ---

PC破損後初更新はエディの小説と相成りました。
まだこのフリーソフトに不慣れなためページは粗雑な出来具合、文も久し振りに書いたもので
なかなか読めたものではないわけですが、GGXXの頃のエディをイメージして書きました。
エディといえばやはり自分的には色としては「黒」や「赤」が思い当たるわけですがー…
黒色っていうのはどう塗り重ねても黒以外にはならないんですよな。
そんな歌詞がポルノグラフティの歌にあったもので(氷狩のお父ん感謝)
こんな小説が出来上がりました。
色での対比、色でのイメージというのは元々大好きなので楽しかったです。
最後の分については私的にはかなり嘘ついてる文ッス。
兵器とはいえ、心さえ機能の内とはいえ、
どこか幸せになれる道はあるんだよきっと!
なあエディ!(何)

03.05.31




 






































其の影は何よりも誰よりも暗い瞳と身體で光を求めてゐる





海外旅行保険の加入はコチラ! 生命保険の切り替えはココ 過払い金の回収ならこちら
[PR] | 自動車保険スキー 温泉ホスピス所沢赤羽和光市中国SEO対策消費者金融車 買取テンプレート沖縄旅行免許合宿二輪引越しプレゼントゴルフ会員権留学レーシックマッサージFXアフィリエイトFXホームページ制作デイトレードハワイ旅行タイバンコクハワイ レンタカーベスト ハワイ ホテル レーツバリ島Hawaii hotelsHawaii Activitiesbhhrハワイホテルテキスト広告
【運営会社「パラダイムシフト」サービス】 ハワイ現地オプショナルツアーリラックマ) - ビジネスクラス航空券 - 格安航空券(1) - 格安航空券(2) - 海外ホテル - 韓国旅行 - タイムシェア - ホテル 予約
無料ホームページ - 携帯ホームページ - 無料ホームページ作成 - レンタルサーバー - ブログ - ヴィラ - ハワイ コンドミニアム - バリ島 ホテル - プーケット ホテル - 企業評価 - タイムセル - 国際通話 - ホノルルマラソン - コミュニティ監視 - 風評被害 - ホテル比較 - デルタ航空 - 宿予約