熊倉沢左俣

2004年6月5日 晴れ
単独

東京都西多摩郡檜原村,熊倉沢左俣(東沢および西沢)

檜原街道を西へ進むと,檜原村役場を通り過ぎて直ぐに2又の交差点に出る。
ここを南秋川方面(左)に曲がり,およそ6km,くねくねと曲がる道を行くと左手に「矢沢林道」の分岐が
現れる。左手にやや降りる細い入口で,又の所には見難いが「矢沢林道」と書かれた柱が立っている。
矢沢林道を900mほど進むと橋の手前に熊倉林道の分岐がある。
この分岐点に今は工事用のゲートがあるが,皆さんこのゲートをどけて林道に車で入っている。
目指す熊倉沢左俣は,熊倉林道の入口から1.2kmほど進んだ,林道終点のやや手前である。
もし車で熊倉林道に入ったならば,林道終点まで行って歩きで戻るとよい。
林道終点には何台か車が停められるスペースがある。
熊倉林道入口から歩くとおよそ30分である。

 

熊倉沢左俣の目印は,参考書(後述)にも書かれている「休憩舎」である。
最初,さぞかし立派な家だと思っていたら,上左の写真のような掘っ建て小屋だった。
あまり想像を豊かにしていくと見落とすかもしれない。さて,この小屋の前の丸木橋を渡って..
と参考書にあるので丸木橋を探したが見つからなかった。
帰りがけに対岸を見たらありました。残骸のみで上の右の写真のよう。
橋はないし,林道から降りるにはちょっと高さがある。
小屋の見える位置から少し上流に戻り林道が沢に近づいたところで沢に降りるとよい。

 

さて,これで熊倉沢左俣に入ることができた。水量は少ない。出合は少し薄暗いがちょっと登ると明るくなる。
ここらは参考書で仕事道を行くとあるが,その方が良いかもしれない。ゴーロの作る小滝と堆積した小砂利の平らな
河原が少し続く。この辺りで僕はコピーしていった遡行図を落とした。まったくどじだ。

  

もう少し進んだところでやっと沢登りらしくなってきた。
岩はごつごつとしていかにも登りやすそうでほっとする。

 

遡行図で仕事道が沢を左から右に橋で通過するところまで来た。
ここは5,6mほどごろ岩の小滝を登った辺りになる。上左の写真には丸太橋が見える。
上右はその小滝の一つを写した。

 

橋を越えて程なくして二俣に到着した。
ここでどちらに行こうかと遡行図を探したら無い!!
そして一旦戻る羽目に....んで,戻ったらあった。よかったぁ。

そんな小さい事件もあったが,ここはまず東沢から行くことにした。
この出合は東も西も滝である。東は10mほど行くと4mの小滝。
西は直ぐに4mほどを上ると仕事道をくぐって更に3mほど登る。

この出合付近で石に蝶がとまっていた。アゲハのような感じだが,大きさは羽を広げても
5cm足らず。地味な色合いでただぼーっと羽を休めていた。

 

東沢に乗り込むと,まず現れる4mの小滝が上左の写真である。ここは水流の中を登る。
ホールドもスタンスもガバなので簡単に登れた。ちょっと嬉しさでジーンとくる。
やっぱ征服したという感触が好きだ。続いて上右の小滝があったが,ここは右手からよじ登る。

その後,小滝がいくつかあるが沢歩きとしては少し単調になりかけたころ,異臭に気づいた。
なんだ熊か?と思い,熊鈴をつけた。しかしこの臭い...と思っていると目の前に,豚さんのご遺体があった。
うぅぅぅxxxx...一気にテンションが下がる。ご遺体を大きく迂回して通った。ふぅ。

  

気分転換を心がけながら進んでいったらやや大きな滝に出くわした。
遡行図によると6m滝のようだ。これは水流中を直登と書いてある。滝の前で腕を抱えてルートを考えるが,
水流中はどちらかというとホールドもスタンスも少なそう。右の水流横なら行けるか?
と8分目まで登った(上左の写真)。そこでホールドが途絶えた。左の水流向こうにホールドがありそう。
でもここで落ちると痛いぞーー。恐ろしくてトラバースはできなかった。ひとまず,すごすご下まで降りる。
悔しいけど,小さく巻くことにした(上右の写真)。

ミニガリー状をざくざく右にトラバースぎみに登ると木の生えたテラスがある。
そこに一旦たどり着き,右から登ろうとするが,その上のホールドとなりそうな潅木がすぽっと抜けそうになった。
抜けそうになった潅木を元に戻しつつ,目が点になりながらまたテラスに戻って上を見上げて考えた。
どうする? なんだ!!真上にいけばいいんだ♪

テラスから真上に登ると潅木の中に出てそこから突破できた。
帰りはロープを出すようだなぁ...と思う。
実際,帰りは滝横の潅木帯によさそうな支点があったので,一旦,テラスまで懸垂し,テラスの木にロープを
かけて2ピッチで下降した(しかし,なぜ6m滝を20mロープで2ピッチ必要だったんだろう??)。

  

手ごたえのある滝を登れたが,少々びびっていたのとちょっぴり悔しかったのと複雑だった。
さらに進むとナメ(上左の写真)。これはどこでも登れる。でも少し傾斜があるので手も使った。
これが遡行図の6mに続く5mなんだろうか?ちょっとよくわからなかった。

そして少し進んだら今度は立ちはだかる5m(だと思う:上右の写真)。
参考書の「東沢6m滝」の写真はこれじゃないかと思う。でもこれは遡行図の5mの位置。うーん..?
まぁ,その辺はどうでもよいとして,この滝は比較的登りやすかった。
参考書は左を登るとあるが,左側は少し滑りそう。水流中を登る方が安心感があった。
いずれにしても取り付けるホールドもスタンスも沢山ある。
ガバ気味だが登り切るとちょっと気分がよい♪滝上には木が何本かあり,帰りのロープの支点になる。
僕は写真左端(写真には写っていないが..)に立っていた木を支点にして懸垂下降した。

 

5m滝を越えてしまうとその後は目立った滝がなくなってしまった。
最初から遡行図にある4mトイ状までと決めていた。たぶん,上右が4mトイ状の滝だろう。
この滝はトイの中を行けば登れる。上左の写真は遡行図に特に触れられていなかったが結構大きい滝だった。
落差としては5mほどじゃないかなぁ。ナメ滝だった。

さて,4mトイ状を登り切ったあと沢の少し広い所でロープを準備して帰り支度だ。
ロープスリングとカラビナで簡易ハーネスを作ってみた。でもこれをつけて歩くとずり落ちてくる。
まるでゴムの伸びたパンツのようだ。
ちょっと使いづらいなぁと思いつつ,簡易ハーネスを手でおさえながら歩く。
その後,5m2本と6m滝を懸垂下降した。はじめて使ったエイト環はとても使いやすかった。
そして東沢と西沢の出合に戻った。

出合にて,考える。このまま帰るか,ついでに西沢も登ってみるか...
せっかく来たし,もうここにはきそうもないので記念に西沢もいってみるか♪

出合の滝を登ると頭上に木橋が見えた。この滝はナメっぽいが傾斜は結構ある。
木橋を越えると再びゴルジュになる。

 

そこに3m,と6mの滝がある。3mは簡単に水流を直登できた。
6mはやや「くの字」で流木を伝ってくの字の曲がり部分まで行き,そこから水流中を登る。
これもガバなので簡単だ。帰りもロープを出さなかった。
これで主だった西沢の滝は終わり。源頭近くに15mがあるらしいが水量はすくないらしいからやめておこう。

6mの上部のミニゴルジュ(左の写真)辺りでUターンして帰路についた。

熊倉沢の出合まで戻り,林道に登って林道を下っていく。
今日はなんだか林道が距離があるように感じた。
途中で駐車車両の傍に人がいた。なんだかびっくりしたような顔でこちらを見ている。「こんにちは」と声をかけたら返してくれた。
まあヘルメットを持ってぼさぼさの頭で汚いロープを袈裟懸けにして濡れた格好で歩いていたらおかしいと思うのかもしれない。
自分の車まで戻って荷台で着替えをして,お昼ご飯のおにぎりを食べた。

コースタイムはあまりまじめに計っていないが,ざっとしたところでいうと,
入渓から東沢,西沢出合まで15分。
東沢出合から4mトイ状まで50分ほど。
西沢出合から6m上のミニゴルジュまで20分ほど。
って感じかな。

滝はほぼすべて僕にでも登れたのが満足だった。でも迫力はあまりない沢だった。水量が少なかった所為かなぁ。ただし,翌日は全身が筋肉痛になった...

参考書: 「奥多摩の谷123ルート」,山と渓谷社

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