記録者:井芹健慎

1 出発地  熊本市

2 目的地  大分県 薬師林道 福岡県 大南林道(ツーリングマップル12J-1〜12I-2)

3 レポート
   
 本当は今日は予定があってツーリングはできなかったはずだが、それが無くなって何も予定がない!昨日ツーリングに行こうと決めた。もちろん目的地はまだ決まっていない。この前行った白谷林道、白山林道にまた行こうかとか、久しぶりに内大臣林道に行こうかなどとボヤーっと考えていた。そして夜、寝る前になってツーリングマップルを開いてみた。するとパッと開いたページの薬師林道という文字がパッと目に飛び込んできた。
「おお!」
 近くを見てみるとさらにいくつか林道があるではないか(@_@)これまで何度か地図上で林道を探していたが、ここはノーマークだった。まあ俺のことだからノーマークのところなんて他にもたくさんあると思うけど・・・(^^ゞ
「日田のさらに北か・・・。ちょっと遠いなぁ。」
しかし、そこには薬師林道大南林道相ノ原毛谷村林道(5K-7)、経読林道(5K-7)がある。ちょっと遠いけどすでにやる気十分だ。朝ちょっと早めに出ようと決めて就寝。

 朝食はとらずにコーヒー一杯だけ飲んで8時に出発した。最近にはない朝早く(?)からの出発だ。ルートはすでに決めてある。大津からミルクロードを上がり、県道12号線を使って上津江村のオートポリス横を通り、国道212で日田に向かうのだ。朝早く出たおかげか、信号運が良かったのかスムーズに日田までたどり着いた。ミルクロードを上る途中雲海の中に突入して視界が悪かったことくらいであとは本当にスムーズだった。

 天気もいい。日曜日ということもあってバイクがものすごく多い。オフ車はやはりとても少ない。緑の草原の中をみんなとても気持ちよさそうに突っ走っていく。 昔はよくピースサインをお互いに交わしていたが、最近はあまりしないようだ。俺自身、数人に手を出して挨拶した程度だ。緑がとても気持ちいい。緑の陰からかすかに秋のにおいを感じることができる。これから阿蘇は早めの秋を迎えていくのだろうな。

 日田のコンビニでおにぎりを買って朝食を済ませ、バイクにも燃料を食らわせ、いざ薬師林道を目指す。国道212をそのまま15kmほど進んで、途中で英彦山の方向(国道496)に左折する。薬師林道に至る手前に国指定天然記念物の「猿飛千壺峡」なるものがある。ちょっとバイクを止めて見に行ってみた。なんだかよく分からないがすごく珍しいものらしい。よく分からんけどすごいぞ!


猿飛千壺峡の駐車場
公衆トイレもあるので林道に突入する前にちょっと休憩するのにいい。



猿飛千壺峡
長い年月をかけて川底に深い穴(甌穴)が作られていった。
岩質・水量・流速の条件がそろった時だけにできる大変珍しい現象らしい。

 さあ、猿飛千壺峡を後にして薬師林道を目指す。地図上では国道496を北の方にちょっと走って左折するようになっている。(12K-2)。左折した道をそのまま進むと彦水橋という橋があり、そこで川が進行方向左側から右側に移る。この橋も渡りさらに先へ進む。すると右側に
「おっ!林道の入り口じゃん?」
と思えるような感じの場所が現れる。道沿いに看板もあるので分かると思う。そう、ここが今日の目的地の一つ薬師林道だ。


この橋の下でかわの位置が向かって左側から右側に変わる。
「榎鶴」と書かれたバス停があった。手作りっぽいナイスなバス停だ。



橋の名前は彦水橋


彦水橋からしばらく行くと右側に林道の入り口発見。


小さな橋を渡って林道に突入。


結構泥で汚れた看板


薬師林道の看板の裏にはさびて朽ち果てたような看板がある。
国有林の専用林道のため許可無く通行したらダメと書いてある。
でも行きます。ごめんなさい。
でもこの看板はなぜここまでさびくれてんだ?
しかし斜めに傾いて倒れそうになっている。
新しいものに替えた方がいいような気がするけど・・・

 看板さんにごめんなさいをして、何のためらいもなく薬師林道に入っていった。最初は荒れた様子もなく走りやすい林道だと感じた。森の色も濃い緑でアドベンチャー感が出てくる。そして先に進むにつれてさらにアドベンチャー感が増してくる。
「ん?何か石ころが多くないか?」
そう感じ始めるとさらに石ころがたくさんあるような気になってくる。いや実際に多い。人のこぶし大の石がゴロゴロで、もう少し大きなのや、人の頭くらいのもたくさんある。しかも路面が岩盤質で水がちょろちょろ流れていて滑りそうでちょっと怖い。パンク経験のある自分としては、岩にタイヤがヒットしてパンクしないかと心配になったりもした。さらに道幅が狭くなり峠付近では草が両側から迫ってきて、まるでジャングルの中を走っているようだ。路面の状況はさらにおもしろくなってきて、川底を走っているような感じだ。油断すると大きな岩に激突したり、ちょっと大きめの石にフロントタイヤが乗り上げてハンドルを取られそうになったりする。う〜ん、まったく楽しい・・・?


林道をちょっと進んだところで右側に橋があり分岐している。
看板の地図ではその先はどうも行き止まりのようだ。
今回は確認しなかった。
左の方にぐっとカーブしている本道を進んだ。



峠付近。
両側から草が迫ってきていてジャングル気分を満喫できる。
向こうの山の方にキングコングでもいそうな感じである。



近くで見ると石が結構大きいと分かるのではないだろうか。
本当に川底を走っているような感じだ。

 峠を越えて下りの道の感じがまた変わった。水がもっとたくさん流れていて、川底を走っている感じは一緒なのだが、石が全体的に丸みを帯びて大きさが均一になったような感じがする。川でいえば下流のような感じかな。しかし、ここもまた走りにくい。石がびっしり道を覆っているので本当に集中しないとハンドルを取られそうだ。途中ちょっとびびってノロノロで進んでいるとエンストまでしてしまった。情けない。

 林道を出たところに3人のライダーがいてこっちを見ていた。ここの林道を走ってみようとしてちょっと進んであきらめた人たちだった。そりゃそうだろう。一人はセローだが残りの二人は完全にロードバイクなのだ。それで走ったら凄すぎ。
「どこからですか?」
「いや〜ここの林道は凄いですよ。」
「あっちの林道はまだ走りやすいですよ。」
などとしばらく4人で話をした。最後に記念撮影をして別れた。彼らは山国町の方にでも行って昼ごはんでも食べて帰るということだった。俺はさらに西の方に進み大南林道を目指す。


薬師林道の出口。というか反対側の入り口。
国道500沿いにある。(12J-1)
ここを下ってきたところに下の3人のライダーがいて、
真剣にこっちを見ていた。
ちょっと緊張。



「じゃあ、そろそろ行こうか。」
というところで記念写真を撮ることにした。
一番右の赤いジャケットを着た人がセローに乗っている人で
結構あっちこっちに行っているようだった。
とても気さくな人で楽しく会話ができた。
ツーリング先でいろんな情報を教えてもらえるととてもうれしい。

 薬師林道をあとにして、いざ大南林道を目指す。国道500を西の方向に進む。目指すは「しゃくなげ荘」ここを目印に左折するからだ。もう少し近いかと思っていたが、しゃくなげ荘まではちょっと距離があった。決して遠くはないけれど。しゃくなげ荘を左折してから広い立派な道を進んでいく。あるところから一気に道幅が狭くなる。アスファルトの細い道がダラダラと続き高度を上げていく。この道であっているのかと不安になる頃林道に突入する。先ほどの薬師林道に比べると道も荒れていなくて走りやすいが、やはり岩盤質なので注意は必要だ。短い林道なのであっさりと終わってしまう。Uターンしてもう一度走ってここの林道はおしまい。


大南林道にて。
地図には秘境ムードありと書かれているが、
薬師林道の方が秘境ムードがあるような気がする。

 今日の予定はあと林道二つを走ることだ。まず国道500を戻って国道496に入り、ちょっと南下して相ノ原毛谷村林道を往復し、さらに北上して経読林道を抜ける予定だった。時間がかかりそうだったが、せっかくここまで来たのだから頑張ろう。

 まず相ノ原毛谷村林道だ。しか〜し、国道496に入ったところまでは良かったのだが、林道の入り口を見過ごしてしまい。かなり南下してしまった。途中で気がついた時にはすでに戻る気がなくなっていた。上の方は黒い雲に覆われつつあり、雷も遠くで鳴っていた。
「仕方ない今日はここまでにして引き返そう。」

 そう決めると、あとは一目散に帰途についた。しかしこれからが大変だった。日田を過ぎて、国道212を杖立方面に進む途中、杖立大橋というものを渡ってしまい、道に迷ってしまった。はっきりいって遭難したんじゃないかという感じだ。行けども行けども道はどこにも出ず、ますます人気のないところに入っていく、
「や、やばいんじゃ・・・」
そうは思っているが後戻りはしたくない。とりあえず行けるところまで行ってみよう。人気は全然無い。唯一、なんとか牧場というのがあって牛か豚かを育てているようなところがあった。とてもほっとした。どうしようもなくなったらここに戻って道を尋ねようと決めてさらに先に進んだ。

 どっちに行っていいのかどこまで道が続いているのかもさっぱり分からない。山の中で遭難したらこんな感じなのかな?いやきっともっと心細いだろうな。などと考えながらアクセルを開ける。しかしどこにも出ない。さすがに不安になってきた。そしてとうとう道が行き止まりになってしまった。仕方ないのでさっきの牧場まで戻って道を尋ねることにした。愛想のない兄ちゃんが対応してくれてこの迷路を脱出する道を教えてくれた。
「ここを戻って、分かれ道を右に行ってしばらくすると、今度は左に行ってください。右は砂利道。15分くらい行くと国道に出ます。」
「ありがとうございます。」
といいながらも、「なに〜、砂利道!」と心の中で期待がふくらんでしまった。言われたとおりに進むと確かにそこに砂利道がある。また迷うかもとちょっと気にはなったがとりあえず突入だ。とても走りやすい。もしかしたら舗装する前の段階なのかもしれない?途中に林道松ノ本線と書かれた標柱があった。もしかしてここは凄い穴場かも・・・!林道自体はまだ続いているようだったが、とりあえず標柱があるところまで行って引き返すことにした。何しろ今は遭難している身なのである。またぜひここに戻ってこよう。うん、きっと穴場に違いないぞ。

  
思いがけず遭難先で林道を見つけてうれしい。
途中でやめたので今度また探検に来よう。
でもここにまた戻れるかな・・・?

 やっと国道に戻ることができた。小国経由で帰ることにしたが、小国に入ったあたりで夕立と雷に遭遇してしまった。濡れるのはいいけど雷は怖い。JA小国の販売所みたいなところで雨宿りをさせてもらうことにした。結構長い時間雨宿りをしていたのだが、雨はなかなか上がりそうにない。雷はもう遠くの方でなっている。雨が小降りになってきて空が少し明るくなってきたところで、店の人にお礼を言って出発した。うん、大丈夫そうだ。しかし、そう思ったのもつかの間、すぐに雨が降り出した。しばらく濡れて走っていたがこのままだとびしょぬれになり、体が冷え切ってしまうと思い。とうとうあきらめてカッパを着ることにした。な〜んだ持っているなら最初から着ればいいじゃんと思われる方もいるかもしれないが、俺はカッパが嫌いなんだ!高校生の時チャリ通をしていたが雨が降っていてもなるべくカッパは着ないようにしていた。
 途中の店の軒先でカッパを着させてもらった。このまま家まで直行だ!


JA小国で雨宿り
外は穏やかそうに見えるが雨と雷が凄かった。

 カッパを着たらこっちのものだ。雨よどんどん降れ!はっはっは・・・。しかし、ヘルメットの隙間から雨が鼻や口に当たってチクチクして痛いぞ!

 外輪山の上を快走していたら、正面に稲妻がピカッと走り、ゴロゴロゴロと雷がまた攻撃してきた。雷がなっているのに草原の中をバイクで走るなんて怖いことはできない。ミルクロードに入るところに新しい休憩所があるので、とにかくそこまで行って、雨宿り、というか雷宿りをすることにした。先客が1名、にこやかな顔で挨拶をしてくれた。彼はカッパも持ってきてないということでここで雨宿りをしていたそうだ。今度バイクを買い換えるので今のバイクでの最後のツーリングに来たということだ。いまのTZRを売って、なんとRZV500を購入する予定だそうだ。凄いぞ、青年!さらにこの青年はもう一台TZRを持っているということだ。速攻で「そのもう一台のTZRを売ってオフ車を買った方がいいよ。」と話をした。彼とはバイクの話で盛り上がった。思いがけず楽しい時間を過ごすことができた。サンキュー、青年。

 もやはかかっているが、雨も雷も小康状態になったので、彼にメルアドを教えてもらってお互いに出発することにした。俺は熊本市に、そして青年はなんと北九州まで帰るそうだ。ミルクロードを下る車は多かったが、そのあとはトラブルもなく順調に家に帰り着いた。疲れたけどなかなか楽しいツーリングだった。今日行けなかったところは今度ぜひチャレンジしたい。家には6時半過ぎくらいに到着した。


好青年と「はい、チーズ」
青年よ、何もためらうことはない。
もう一台のTZRを売ってオフ車をすぐ買いなさい。

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